2017年1月18日水曜日

弥生時代で読み解く「ハピネスチャージプリキュア!」

初代からプリキュアは結構好きで、特にフレッシュ以降はしっかりほぼ全話ちゃんと見るようになった。どのシリーズもそれぞれの魅力があって好きなのだが、「ハピネスチャージプリキュア!」だけはどうしても好きになれないまま最終回を迎えた。直後のプリンセスプリキュアが非常に良い作品だったのではしゃぎ、今期の魔法つかいプリキュアはみらリコが夫婦ではーちゃんが娘で、キュアモフルンは映画を2回観に行く程度に好きで、つまり最高だ。とまあ、そんなこんなでハピネスチャージの個人的評価は相対的にも下がる一方だったのだけど、最近ふとした思考の転換でハピチャの評価が爆上がりしたので、備忘録も兼ねてこの記事を書きます。

これからの話を読んでいただくにあたって、みなさんにはまず弥生時代、邪馬台国のエピソードを思い出していただきたい。

といっても、そんなに詳しく思い出す必要はないのだけど。とりあえず、

  1. 倭国はもともと男王が治めていたが、争いが絶えなかった。
  2. そこで女王卑弥呼を立てると、ようやく混乱が収まった。
  3. 卑弥呼の死後、男王が後を継いだが、国は混乱した。
  4. 再び女王臺與を立てると、国は安定した。

という流れを頭において欲しい。この弥生時代のエピソードから読み取れることは、「女王が統治すれば安定し、男王が統治すると混乱する」という原則だ。

普通のプリキュアは、弥生時代の倭国でいうと「3.卑弥呼の死後、男王が後を継いだが、国は混乱した」のところから話が始まる。

女王が力を失い、男王が勢力を増し、世界に混乱が訪れようとする。
幾つか例外はあるものの、これがほぼ全てのプリキュアのストーリーの出発点だ。
初代・MHならクイーンはプリズムストーンを失っていたり、分裂してしまったりしてるし、敵はジャアクキング、男王だ。
SSでは女王フィーリアは泉を失っており、敵の首領はアクダイカーン(ゴーヤーン)で、男王である。
5シリーズは申し訳ないが観ていないのでよく知らないが、少なくともGoGoの方はそんな感じっぽい?
フレッシュに女王は出てこない気がするが、敵の首領メビウスは(一応)男王だ。ハトキャの世界の支えは「こころの大樹」だが、これは妖精を産むし、女性的だ。敵はサバークもデューンも男である。スイートも女王アフロディテがプリキュア陣営のトップだし、スマイルのロイヤルクイーンは死んでたし、ドキドキもトランプ王国の支えは王女マリー・アンジュだった。

つまり、ハピネスチャージより前のプリキュアでは、ほとんどが「安定を象徴する女王が力を失い、混乱を象徴する男王が勢力を増す」という構図で始まるのだ。

単純に言い切ってしまえば、プリキュアシリーズには
  • 女王=安定・秩序
  • 男王=不安定・混乱
という原則が存在する。

ここでハピチャの世界を見ると、その世界には「そもそも女王がいない」ことが分かる。
地球の神は「ブルー」という男性であり、これまでずっと地球にあった。敵の首領はクイーン・ミラージュという女王だが、傀儡にすぎないことが初期から示唆されていた。で、真の敵は「レッド」であり、男性であった。
つまりあの世界は、「女王が立ったことがない世界」なのだ。
これはこれまでのプリキュアの世界の中ではかなり特異である。プリキュアシリーズにおいて女王は安定と同義なので、ハピネスチャージの世界は「一度も安定したことがない混沌の世界」なのだ。弥生時代でいえば、まだ「1.倭国はもともと男王が治めていたが、争いが絶えなかった」の状態なのである。

そう、今までのプリキュアは「失われつつある安定を取り戻す」物語であったのだが、ハピネスチャージだけは明らかに「混沌の世界で安定を作り出す」物語なのだ。
だからこそ初期状態ではすべてのものが不安定で、神々ですらしょうもない男だし、プリキュアになった少女だって「他人の気持ちを慮れないまま人助けをする少女」であったり、「自分の犯した過ちを認識しつつも、全ての責任を被るほどの勇気はない少女」だったりするのだ。

ハピネスチャージの物語は、これまでのプリキュアシリーズにおいてすでに確立されていた「安定」の、その確立の過程を描いた物語であり、プリキュア的「創世記」なのだ。プリキュアたちは女王候補だ。

だからこそ世界に安定がもたらされる最終決戦においては神々とその眷属であるプリキュアたちしか出てこない。
不安定を象徴する男王たちは惑星レッドへと去った。男王しかいなかった惑星レッドは滅びていたが、再建にはブルーとともにキュアミラージュが関わるため、キュアミラージュが惑星レッドにおける「女王」として君臨すれば安定するはずだ。
地球には男王が不在となったが、おそらくキュアプリンセスが地球における女王になるのだろう。白雪ひめの本名は「ヒメルダ・ウインドウ・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイ」であり、「クイーン」を含む。

プリキュア世界における創世記を描いた「ハピネスチャージプリキュア!」は十周年記念作品としてふさわしかったと、放送終了から2年がたとうとしている今になって思うようになった。


それとまあ、わりとどうでもいいことなんだけど、ハピチャが弥生時代で読み解けるっていうのは上記以外にも理由があって、弥生時代の日本語では「は行がぱ行の発音だった」らしいWikipediaより)っていのがある。つまり「ひかりがおか」という地名を弥生時代風に発音しようとすると「ぴかりがおか」になるのだ……。
あとは巫女が重要人物であることぐらいですかね。

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